素人には難しい確認申請は建築設計事務所におまかせ

施工業者選び

設計事務所が建築工事も請負ってくれるのなら工務店を探す必要はないのですが、そうでなければどこかを選ばなければなりません。 基本設計ができた時点で数社に見積りを頼んでおくとこの工程もスムーズにいくかもしれませんが、 全ての設計が終わってからでなければ正確な見積りを弾き出すことができないので、ここまできてからスタートしても構わないでしょう。 設計事務所に施工業者選びを任せてしまってもいいとは思いますが、もしも知り合いの紹介などがあればそちらにお願いしてもいいですし、 金額さえ折り合えばどこにしても大きく差はないかもしれません。ただしあまりに評判が悪い工務店は避けたほうが無難でしょう。 そうした評判は設計事務所の方の方が詳しいので、特に希望がなければ一切の選択を任せてしまえば気が楽かもしれません。 見積りの出し方は設計図を一通り渡して「これを依頼するといくらになりますか?」と聞くだけですが、 その工務店が図面に忠実に建築できる能力がなければ後からトラブルになりかねませんので、その見極めも含めて設計事務所にお手伝いをしてもらうのがいいのです。 そしてだされた見積りが適切であるか、極端に安すぎたり怪しい点がないかをチェックして、施主もその金額に納得したら契約となります。 見積りの時点ではまだ契約ではありませんし、合い見積りをしてより有利な条件の工務店を見つけるのを目標にしましょう。

工務店と正式契約

設計事務所はこのあたりで直接的な業務からは離れることになりますが、正式な契約を施工会社と結ぶまでは依頼者のことが心配ですし 契約の場には同席するケースも少なくはないのでしょうか。 施工会社の見積りに納得して工事請負契約を結んだら、設計に関する業務はもうとりあえずなくなりますし、あとは工事監理業務くらいとなります。 当初の計画では外壁のカラーをピンクにする予定だったけどやっぱりレッドにして派手さを強調したい、とかなら わざわざ設計図を書き直さなくても工務店の方で対処できますし、内装の細かな部分も随時工務店と施主が話し合いをして変更をしながら作り上げることになるでしょう。 工事が始まればもう新たに何かを設計する機会はほぼなくなったも同然で、よほどのイレギュラーでも発生しない限りは図面の追加や変更もされません。 設備の変更をしたいと注文があったら直接建築会社の方に話をすることになり、設計書は全て工務店側に委ねられるのです。 つまり工事を請負う側もただ図面どおりに建築していけばよいのではなく、依頼者の要求に臨機応変に対応できる器が求められるでしょう。 建設が始まってからも「やっぱりこうして欲しい、今のままだと後悔しそうだ」という変更は必ず出てくるでしょうし、 それを受け入れてくれない工務店は設計書通りに住宅を完成させる力があっても評判はいまいちとなります。 だからと言って「後から変更すればいいや」と適当に基本設計をしてはいけませんよ。

工事監理業務

工事が始まってからの設計事務所の主な業務は工事監理業務になります。これは図面どおりに工事が行われているかを確認するそこそこ重要な仕事です。 悪質な工務店だと経費を浮かせるために設計書で定められた資材を使わずに、安価な物を勝手に用いて利益を出そうとすることも考えられます。 それが目に見える部分なら素人にでも見抜くことが出来ますが、完成後には隠れてしまう箇所でやられたら発覚することもなく依頼主に引き渡されてしまうでしょう。 そのために耐震性能が低下することもありますし、住宅の老朽化が早まる危険もあるのでなんとしても阻止せねばならないことです。 また故意ではない施工ミスが起こらないとも限りませんし、設計図書に詳しい人間がチェックをすることでそうしたミスを防ぐのです。 どんなに素晴らしい設計をしてもそれを形にする工程でミスがあったら依頼者の満足度は低下しますし、やり直しを求められるので手間がかかるだけです。 図面では窓があるはずなのにない、白い壁があるだけとなったら、採光の面でも計画が狂い生活の質が落ちてしまうため 「それじゃ困るよ、窓がないと話にならん、そりゃはやく完成させて欲しいけど図面には従ってくれなきゃ」とクレームがくる確率100%です。 それらミスを早い段階で正し、クライアントに要求通りの注文住宅を引き渡せるようにするのが工事監理業務です。